甲状腺腫瘤(甲状腺の腫れ)について
甲状腺腫瘤は8~9割が特に治療の必要のない良性のものであり、悪性の場合もほとんどは乳頭がんですから手術で治療可能です。適切な治療により命にかかわることはまずありませんし、術後10年間の生存率は9割を越えています。
甲状腺の腫れやのどの違和感などで受診される方もありますが、自覚症状が全くないケースも多く、乳がん検診などで受けたエコー検査でみつかることもよくあります。
なお、甲状腺腫瘤が起こるはっきりとした原因はまだわかっていません。
甲状腺腫瘤の症状
ほとんどの場合、自覚症状はありませんが、下記のような症状が現れる場合もあります。
- 首の腫れ
- のどの違和感
- 声が枯れる
- 首にしこりがある
- 飲み込みにくい
甲状腺はのどぼとけの下にあり、左右に羽を広げた蝶々のような形をしていますので、そのあたりを触れた時に腫れやしこりに気付くことがあります。
甲状腺腫瘤の検査と診断
血液検査、甲状腺超音波検査、細胞診検査、頸部X線検査を行います。
甲状腺超音波検査で甲状腺腫瘤の大きさや形状を確認し、微量の腫瘍細胞組織を注射針で吸引し、悪性か良性かを診断します。
良性腫瘍
甲状腺腫瘤はほとんどの場合、良性腫瘍です。
濾胞腺腫と腺腫様甲状腺腫に大きく分けられます。
悪性腫瘍(甲状腺がん)
約95%は命に危険のないがんです。
乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がん、悪性リンパ腫などがあります。
甲状腺腫瘤の治療
甲状腺を部分切除、またはすべてを摘出する手術が基本です。
大量のアイソトープ投与による破壊、エタノールを注入して腫瘍を小さくする、放射線で腫瘍を破壊するなどの治療を行うこともあります。
なお、抗がん剤を使う場合もあります。
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